2014年WINTERCUP-2


第3回戦(26日) 対 市立船橋(千葉) 報徳 57-81 市立船橋

・初出場での2勝の勢いをもって格上の市立船橋に挑みましたが、A18日本代表者を含む心身ともにタフで、攻守に速さと強さに勝る市立 船橋を相手にして十分に持ち味を活かせず、ベスト8の壁は厚く敗れました。
・結果はベスト16となりましたが、初の全国ウインターカップの舞台で最後まであきらめずに走り抜き、兵庫県勢として久し振りに
 大会2勝しことは立派で、大会を通じて得た感動や教訓を後輩たちに伝え、また、自らの人生に生かしてもらいたいと思います。
・3年生は最後の試合になりましたが、最後まで向上心を忘れず緊張感を維持して立派に戦ってくれました。
 心からの賛辞と「お疲れ様」の言葉をおくります。たくさんの感動的なシーンを本当にありがとう。

  報徳 57(15-22 14-20 12-23 16-16)81 市立船橋

JBA作成の戦評
・ベスト8入りをかけた勝負の一戦、市船からの攻撃で始まる。それをしのいだ報徳#6金が3P を決めるが、市船#8杉田も3Pで入れ返す。
 その後お互いに3P を決め6-6。市船はリバウンドを頑張り6-10とする。報徳タイムアウト。ペースを掴んだのは市船。市船#7青木の
 ランニングプレイ、リバウンドなどで15-22とリードを作り第1ピリオド終了。
・報徳ディフェンス2-3は、市船ディフェンスはマンツーマン、ペースを掴みたい報徳ボールで第2ピリオドスタート。だが市船が#4戸田の
 3P連続で15-30と離していく。たまらず報徳タイムアウト、残分8。報徳はゴールへ攻めることができず、アウトサイドのシュートミスを
 連発する。それに反し市船はリバウンドからブレイクにつなげ着実に加点していく。残分4マンツーマンにディフェンスを変えた報徳が
 パスカットからレイアップ、2連続ゴールで22-32、リズムを掴めそうな場面で市船タイムアウト、残分4。タイムアウトで落ち着きを
 取り戻した市船が29-42とリードを広げていく。
・ 前半は市船ディフェンスを攻めきれずシュートに行く場面が多く見られた報徳、市船は落ち着いてディフェンスをドライブで崩しながら
 ノーマークでシュートする、というように対照的に終えた。
・第3ピリオド、前半同様報徳のシュートミスから#4のリバウンド、レイアップ、#9岡野の3P、29-47で始まる。残分6で31-51と20点差 となる。報徳はメンバーチェンジをしながら打開策を講じるが、市船のペースは落ちず31-56となったところで報徳タイムアウト残分4。
 リードを広げたい市船はプレスでボールを狙う。報徳も2-2-1から2-3で市船の得点力を削ごうとするが、シュートが入らず。
 対照的に市船は#4がバスケットカウント1スローを決め37-63。その後報徳連続ゴール41-63にしたところで市船タイムアウト、残り
 28秒。タイムアウト後市船が確実にゴールし41-65。リードを広げて最終ピリオドへ。
・追いつきたい報徳が2-3で守るも市船#4が落ち着いて3Pを決める。残分8報徳タイムアウト。報徳が1-1-2-1からマッチアップへ変え
 ペースを作り追い上げようとする。市船は大量リードに守られながら24秒を使い切っていく。結果57-82でタイムアップ。
 苦しいゲーム展開の中、諦めずにトライし加点していく報徳と自分たちのペースで走り回る市船の対照的なゲームとなった。

JBAページから WINTERCUP2014レポート「目指すべき壁の向こうへ」から転載

 初出場ながら2度勝ち、ベスト16に入ったことは、それだけで十分に立派なことだ。しかし三度コートに立てば、さらに上を目指したく
 なる。たとえそれが高校生であっても、アスリートであれば、誰もがそう思うだろう。
 兵庫・報徳学園が、千葉・船橋市立船橋に【57-81】で敗れた。ここを突破すれば、初出場でメインコートに立つというトピックスも
できたのだが、船橋市立船橋のディフェンスを前に、得意とするアウトサイドからのシュートがことごとく落ちた。 
 田中 敬コーチが言う。
「市立船橋の1対1の圧力にやられました。ゲームを外から見た印象ではトランジションの速いチームだったので、速攻に持ち込ませないようにコントロールしながらゲームを運ぼうとしたんです。でもそのコントロールをする余裕さえ、与えてもらえなかった」 それはキャプテンの#4岸 功一も認めるところだ。3回戦進出ともなれば、自分たちが思っていた以上に疲労が蓄積しているものだが、試合後の入念なケアのおかげで疲れを感じることはなかったという。
「疲れよりも、市立船橋のディフェンスの圧力がすごかったです…」兵庫県でも受けたことのない圧力に屈した訳だ。裏を返せば、
それが「ベスト8の壁」を越えるチームの強さでもある。岸はこうも言っている。
「市立船橋はゲームの流れをよくわかっていると感じました。10点リードすると時間を使いながら攻めてくる。僕たちにボールに触らせないようなオフェンスを組み立ててくるので、ディフェンスもしづらかったです」
歴代の先輩たちよりも、バスケットに対する気持ちは誰一人負けていない。自主練習にしても、フィジカルトレーニングにしても、その気持ちを前面に押し出してきた。そうしてウインターカップ初出場の切符を取り得たのだ。しかし全国の猛者たちが集まるウインターカップでは、その気持ちさえ上回っているチームが多くある。それに気づけたことは今後の報徳学園にとっても大きな意味があるだろう。

 初出場はまた、選手たちだけの経験ではない。田中コーチもまた初のウインターカップなのだ。
「体力的にタフなチームを作ってきましたが、市立船橋はそれ以上にタフでした。体力だけでなく、精神的にも、もっとタフにしなければいけません。ゲームの運び方も、もっと工夫が必要です」
田中コーチはチーム作りについて、そう反省をしたあとで、こうも言っている。
「自分自身の采配としては、やれたところもありますが、もっとコントロールしなければいけないところもあります。そのあたりは私自身の課題です」 選手たちは毎年その顔ぶれを変えていくが、コーチは何かがない限りコーチのままでいられる。それにあぐらをかかず学び続けて
いけば、必ずいつかは報われるはずだ。

初出場のウインターカップで、メインコートの前に立つ壁の高さを知った報徳学園。その新たな伝統はこれから築かれる。

 思うように攻められなかった
兵庫・報徳学園④岸 功一

 報徳学園・田中 敬コーチも、
この経験を来年以降に生かしたい